刑事事件と民事事件の違い 分かりすく解説 法律

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法律ニュースやドラマでよく聞く「刑事事件」と「民事事件」。


どちらも裁判の種類ですが、内容や目的は大きく異なります。
この記事では初心者の方向けに、刑事事件と民事事件の違いをわかりやすく説明します。

刑事事件とは?

刑事事件は、法律に違反する犯罪行為があったかどうかを裁判所が判断し、
違反が認められた場合には犯人を処罰することを目的とした事件です。
この事件は国家(検察官)が被告人を起訴し、社会全体の秩序維持と安全を守るために行われます。

刑事事件では、犯罪の嫌疑をかけられた者が有罪か無罪かを判断するため、警察や検察が捜査を行い、証拠を集めます。
起訴がなされて、その後の裁判手続きで有罪となれば、懲役刑や禁錮刑、罰金刑などの刑罰が科されます。

例としては、窃盗、暴行、詐欺、殺人などの犯罪が刑事事件に該当します。

民事事件とは?

民事事件は、個人や法人などの私的な権利や義務に関する争いごとを裁判所が解決するための事件です。
当事者同士の契約トラブル、損害賠償請求、離婚、相続問題などが代表的です。

民事事件では、当事者同士が直接争いを裁判に持ち込み、裁判所がその権利関係や義務の有無を判断します。

この点、刑事裁判は、検察官の起訴によらばければ開始しない(起訴独占主義(刑事訴訟法247条))のに対して、他方、民事裁判は、原則として、当事者(と主張する者)が「訴状を裁判所に提出」(民事訴訟法134条1項)することで開始できます。


判決は金銭の支払いや契約の履行を命じるなどの方法で、当事者の争いを解決します。

例えば、借金の返済を巡るトラブルや、交通事故の損害賠償請求などが民事事件に当たります。

刑事事件と民事事件の主な違い

ポイント刑事事件民事事件
当事者国家(検察官) vs 被告人個人や法人同士
目的犯罪の処罰と社会秩序の維持権利義務の調整や損害賠償
判決の効果刑罰の執行(懲役・罰金など)金銭支払いや契約履行の命令

まとめ

刑事事件は、犯罪行為があったかどうかを国家が裁き、犯人を処罰するための裁判です。
一方、民事事件は、個人や法人同士の権利や義務に関する争いを解決するための裁判です。
両者は目的や当事者、手続きが異なりますので、法律を理解する上で違いを押さえておくことが大切です。

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