【憲法】公務員の人権について

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はじめに

こんにちは、くじらです。

今回は、「憲法」で、「公務員の人権」について、全体像をまとめていきたいとおもいます!

余談ですが、在監者や公務員といった特殊の地位についての人権論は、かつて、「特別権力関係論」という名前でまとめられ、その人権制約は比較的簡単に許されていました。

しかし、現代の判例・学説においては、やむを得ない、必要最小限度の制約しかみとめられないという立場をとるようになっており、以前のように簡単に制約立法を合憲とすることはなくなりました。

そういった安易な結論を導いていた過去との概念的な決別の意味も込めて現代の学説では、「特別権力関係論」という用語は使わずに、「特別な法律関係における人権」「特殊的統治関係」といった用語が使われています。ふむふむ。

  • では、本題に参りましょう!!

【公務員の政治活動の自由】と【公務員の労働基本権】

まず、【公務員の政治活動の自由】についてです!

昭和49年の「猿払事件」が端緒となります。

そして、平成24年の「堀越事件・世田谷事件」で、論理が組み替えられて今に至ります。

猿払事件の特徴は、公務員の政治活動に対する刑事制裁を伴う広範な規制をすべて合憲と判断したように見える点です。つまり、罰則の対象が非常に広かったのです。

これに対し、堀越事件・世田谷事件の特徴は、「公務員の職務の遂行の政治的中立性を損うおそれが実質的に認められる行為のみ」を罰則の対象としました。つまり、罰則に制限を加えました!

実質的に」というのがキーワードですね。

なお、この制限は限定解釈によるものであるが、これが憲法適合的解釈であるのか、合憲限定解釈であるのかは意見が分かれるところです。

次に、【公務員の労働基本権】についてです!

昭和41年、全逓東京中郵事件ぜんていとうきょうちゅうゆうじけん)。

これが、必要最小限度性審査を採ることを明らかにしました。

次に、昭和44年、都教組事件(ときょうそじけん)。

これが有名な二重の絞り論を採用しました。

この次の、昭和48年、全農林警職法事件。これに風向きが大きく変わります。逆風です。

この判決は、争議行為の一律禁止を肯定しました。

そして、なんと4年前の都教組事件で採用された二重の絞り論を、否定します。

あおり行為は違法な争議行為に原動力を与えるという原動力論により限定解釈を否定します。

そして、昭和51年、岩教組学テ事件判決によって、都教組事件も判例変更され、、全農林警職法事件の流れが固定化されるに至ります。

(なお、補足として、非現業の国家公務員に関する判決が全農林警職法事件であり、都教組事件は地方公務員に関する判決でしたが、これが岩教組学テ事件判決によって判例変更された形となります。)

まとめ!!

まとめると、現在ちからを有している判決は、

政治活動の自由に関しては、堀越事件・世田谷事件の実質的に判断する枠組みであり、

労働基本権に関しては、全農林警職法事件の、二重の絞り論ダメ、争議行為一律禁止の枠組みです。

お疲れ様でした!!

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Kuzira

法科大学院の既修(2年短縮型)の試験に合格している、法学部生です。
勉強して身につけた知識や視点を当ブログで還元いたします。

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当ブログが、法律に苦手意識がある学習者の力になれれば幸いです。

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