はじめに
本日の書評は、L.ロン ハバード著『学び方を学ぶ本』についてです。
この本をオススメしたい人は、子どもに学習の方法論を授けたいと考えている親御さんとその子どもさん、あるいは勉強がなかなか上手くいかないと感じている学生です。
なお補足として、この本の対象年齢は、本書において、「10歳から12歳」の子どもと記されています。
しかし、その平易で核心を突く、本書が紹介する子どもの学びの方法とそのドリル(練習法)は、大人が読んでも「もっと早く知りたかった。」と驚嘆すること間違いなしの内容です。
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本の内容の要約
L.ロン・ハバードの著書『学び方を学ぶ本』は、効果的な学習法を紹介しています。本書では、学習の障害を克服し、より効果的に情報を吸収する方法を指南しています。読者は自己学習のスキルを向上させ、新しい知識を習得するための戦略や技術を学びます。また、集中力を高め、記憶力を向上させるための実践的なアドバイスも提供されています。情報過多の時代において、効率的で効果的な学び方を身につけるための有益なヒントが詰まった一冊です。
チャットGPTさん
出版年
出版年は2001年とやや古いです。
しかし、この本の内容は現代にも十分通じるでしょう。
本の構成
この本は、子どもでも読めるような構成になっています。
具体的には、少ない文字数(きちんとルビもふられています。)と、イメージがしやすいたくさんのイラストと共に、丁寧にまとめられています。
感想
読んだ印象
いつか親になったときには、これを本棚にさっと置いておき、我が子に対して、「何か困ったことがあったら、この本を読んでみるといいよ。」と、紹介してあげたい本だと感じました。
内容について
本書は、学習をする必要性についての説明からはじまり、自己学習において障害となる「三つの障害」について、分かりやすく指摘します。
そして、その障害に陥ったときの感情や感じ方もイラストつきで解説されています。
これを読む子ども自身も、「あ、いま私・僕はこの状態だ!」と納得感と共感をもって読み進めることができるでしょう。
学習を妨げる三つの障害とは
三つの障害とは何か。
簡単な言葉で分類すると、①学ぼうとしている対象を実際に目にしていないこと、②学ぶ段階を何段かとばしてしまっていること、③言葉の定義を知らない・間違って覚えていること、です。
①学ぼうとしている対象を実際に目にしていないこと
実際に触れたことや見たことがないものを学ぶことが難しいことを説明します。
文章やしゃべってもらったお話ではなく、体験や映画や絵に触れると、いっきに学習がはかどることについて、解説がなされています。
②学ぶ段階を何段かとばしてしまっていること
いきなり難しい段階に挑戦しても太刀打ちできずに、最悪の場合には学習を諦めてしまう危険性を説明します。
そして、順番に学んでいくことの大切さについて、丁寧にイラストとともに解説されています。
③言葉の定義を知らない・間違って覚えていること
③は、本書において、、①~③の障害のうち、最も重要な障害であると述べられています。
本を読み終わったとき、イマイチ内容が頭に入ってこなかったことが我々にも経験があるかと思います。
著者は、そういう事態が起きる理由をこのように説明します。
それは、その読んだ部分に、自身の知らない、あるいは間違った定義を覚えている言葉が存在していたからだと。
その対策として筆者は、
辞書を丁寧に活用することや、辞書を丁寧に活用することを繰り返すことが大切であることを、読者に対して解説をしています。
おわりに
この本を読んだ子供は、学習に関して何かに躓いたとき、本書の内容を想起したり実践することで、子ども自身でその躓きを解決することができるようになるでしょう。
大人は子どもたちに対して、「勉強をしなさい。」「勉強をすることは大切なことです。」「勉強はあなたの将来の選択肢を広げるものです。」と、勉強が重要であることを、ただやみくもに伝えてしまいがちです。
しかしどうでしょうか。
そのような伝え方や方法では、その子どもたちは、勉強の大切さは認識すれど、「では、勉強はどのように行えばいいのか。」といった勉強法に精通することは期待しがたく、勉強をしても、勉強効率が悪いせいでなかなか学習が進まないという事態に陥り得ます。
言い換えれば、子どもたちにしてみれば、再三「勉強は大切だ」と言われるものの、どのような勉強が有効であるかについては多くの場合、手さぐりに頼ってしまっているのです。
これでは子どもたちは報われません。
今回紹介した書籍は、自己学習の障害を取り除く方法を、子どもたちに理解させ、学習という営みにかかる霧を晴らしてくれる画期的な本となっています。
ぜひ、教育方法、あるいは学習方法について興味・関心のある方は、一度手に取ってみてください。
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